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わたしは価値を創る

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いま、なぜランチェスター戦略なのか

いま、なぜランチェスター戦略なのか

田岡信夫は、その著書の中で、「成熟社会」の中でこそ、ランチェスター戦略が必要であると繰り返し説いています。1984年発行の「ビジネスマンの戦略的思考」(PHP研究所)の中では、当時の日本社会を成熟社会と位置づけ、「いままで経験したことのない、かつてない経済環境の中に入り込んでしまっている」と説明しています。

その頃の日本は、国際競争力では、常にトップに位置づけられる国でした。2004年、日本の国際競争力(IMDによる)は、23位となっています。失われた10年(いや20年かも知れません)は、田岡が看過したように、成長期に力を発揮した日本が、成熟期における構造転換にあえいだ20年であると言えるかも知れません。

成熟社会の特徴として、田岡は、ゼロサム社会であり「不可避的に進む二極分化」の社会と述べています。つまり、すべての企業(事業者)が、頑張れば成果を得られる社会ではなく、成果を獲得できるのは一握りの「勝者」だけであり、「敗者」には殆ど何も残らないゲーム競争型の社会です。しかも、IT革命を経つつある今日、勝者はたった一人、その他大勢はすべて敗者であると言っても過言ではありません。

限られたパイを大勢の人々が奪い合うゲーム型の競争では、がむしゃらに頑張るといった無規律的な活動や単にうまくいっている他者の真似をするだけといった安易な方法では勝ち残ることはできません。ゲームに勝つのは、そのゲームのルールを理解し(あるいはルールを自ら作り)、ルールに適応した活動をする者だけです。

ランチェスター戦略は、F・W・ランチェスターが発見した「ランチェスター法則」を元に、統計学的な根拠に基づいて、ビジネスのルールを把握することを指南します。ランチェスター戦略は、たった一人の「強者」とその他の「弱者」という概念を明確に打ち出しています。強者と弱者では、ビジネスにおいて、打つべき手が違うことを理解しなければなりません。それが有名な「強者の戦略」「弱者の戦略」です。

不透明な競争社会における勝ち方のセオリー、それがランチェスター戦略です。


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